LABORATORY OF
ANIMAL BEHAVIOURAL STRATEGIES

動物行動戦略研究室 新潟大学大学院自然科学研究科/創生学部  代表教員 西海 望

研究室の目的

本研究室は、人間を含めた多様な「動物」の行動戦略を探る研究室です。 動物たちの振る舞いの戦略的側面の理解の中から、新たな行動の合理性を導き出し、 私たちの社会や考え方にも示唆を与える知見を創出することを目的とします。

研究アプローチ

■研究展開の方面

行動の観察

フィールドワークによって、実際の動物がどのような環境でどのような行動をとっているのかを観察します。 様々な研究の根本としてしっかりと生態を押さえると共に、可能な限り定量的に観察することを目指します。 野山に赴くこともあれば、海に潜ることもあります。

行動戦略の実証的研究

一般的な行動学実験に加え、独自の仮想対面実験を行い、戦略の実態把握や理論検証を行います。 研究室内ではトンボ、魚、カエルを主に扱っており、 他大学でコウモリやハトを使わせてもらっています。 興味深い行動を行う動物がいれば、積極的に研究の題材にします。

行動戦略の理論研究

動物の行動の数理モデル化やシミュレーションを行うことで、 現実の行動の特長や優位性/脆弱性を推定すると共に、 最適戦略やそれへの対抗戦略を検討します。 特に、目標追跡や脅威回避に関するナビゲーションモデルを題材としています。

行動実験技術の開発

動物用の新規仮想現実技術を開発することで、行動戦略研究を支えます。 主にモーションキャプチャとリアルタイムフィードバック処理によって 相互作用を擬似的に成り立たせるものとなります。 動物種特有の知覚・形態・運動の特長にうまく対応させる必要があります。

■研究の特色

本研究室の強みは、一般的な行動学研究環境に加え、 実証研究と理論研究をつなぐ独自の実験基盤を有していることにあります。 これは、仮想の動物と現実の動物とが相互作用するサイバーフィジカルシステムであり、 実際には起こり得ない理論上の行動や相互作用シナリオを擬似的に再現させる技術になります。

研究内容

■研究業績

研究室代表者の研究成果等一覧については Researchmap をご覧ください。

この他、自然科学研究機構第14回若手研究者賞を受賞した際の受賞記念講演の動画を掲載します (高校生向けの内容となります)。

進行中の主要研究プロジェクト

  • 2025-2032 JST 創発的研究支援事業(代表)「動物用メタバースによる横断的行動学研究」
  • 2025-2028 JSPS 科研費 基盤研究B(代表)「捕食者と被食者のマルチタスク対処能力から探る生物集団形成の進化的要因」
  • 2021-2026 JSPS 科研費 学術変革A 計画研究(分担)「階層ナビゲーションのための数理・学習ベース解析手法と介入方策決定技術」

終了した主要研究プロジェクト(代表のみ抜粋)

  • 2024-2024 学術変革領域(A)「階層的生物ナビ学」 国際活動支援班 海外派遣助成金「ハトの行動学実験に向けたVR映像提示技術の開発」
  • 2022-2025 JSPS 科研費 特別研究員奨励費「コウモリに対する猛禽類の追跡ナビゲーション戦略:ロボット技術を用いたアプローチ」
  • 2022-2022 JSPS 新学術領域「生物移動情報学」国際活動支援班 海外派遣助成金「猛禽類の餌追跡ナビゲーション能力の野外検証」
  • 2021-2025 JSPS 科研費 若手研究「猛禽類の餌追跡ナビゲーションにおける戦略性の野外検証」
  • 2019-2022 JSPS 科研費 特別研究員奨励費「捕食者によるParallel Navigation型獲物追跡運動の機能検証」
  • 2019-2021 JSPS 科研費 新学術領域公募研究「飛行型捕食動物の目標追跡ナビゲーションにおける戦略性の検証と最適な追跡航法の導出」
  • 2019-2020 文部科学省 ナノテクノロジープラットフォーム(協力研究)「無人航空機の誘導制御機構の開発」
  • 2018-2021 JSPS 科研費 若手研究「捕食者によるParallel Navigation型獲物追跡運動の機能検証」
  • 2016-2017 科学技術融合振興財団 調査研究補助金「小型魚類を対象とした、対捕食者相互作用シミュレータの開発」
  • 2014-2015 日本科学協会 笹川科学研究助成金「ヘビに対するカエルの捕食回避戦略 − 逃走と不動の最適な使い分けの分析 −」

研究体制

本研究室は2025年度からスタートしました。 現在、スタッフの増員と研究スペースの拡張を進めています。

本研究室の研究テーマを進めるには、生き物への関心とコンピュータスキルの他、 戦略性を探る経済学的な思考センス、スポーツなどで培った勝負勘といった 様々な方面の力を結集させることが重要です。 多様な背景をもつ人々が集まり、力を合わせることで、 行動学の新たな地平を切り拓けるものと信じています。

ラボメンバー

■研究室への参加

当研究室では、研究に参加してくれる大学院生を募集しています。 また、学振PDの受け入れや各種スタッフの雇用にも積極的です。

大学院生受け入れ

研究テーマが明確に定まっていなくても構いませんので、 どんなことがやりたいか、何に興味を持てそうかなどをお聞かせいただければと思います。
本研究室は新潟大学自然科学研究科に属しています。 大学院入試の要項についても目を通しておくことを勧めます。
本研究室の代表教員はJST創発的研究支援事業に採択されているため、 大学院生を修士課程から年間最大240万円で雇用できる場合があります。

学振特別研究員受け入れ

申請計画の検討にあたって相談に乗ります。 また、申請期限間近の受け入れ打診であっても対応可能な場合がありますので、 気軽にご連絡ください。

リクルート

ゼミ/ラボ教育

本研究室配属の学生には、人を含む様々な生き物を対象に、 行動や意思決定のパターンと合理性、認知/運動のパフォーマンスなどを探る行動学研究や、 それと関連するVRシステムなどの技術開発に取り組んでいただきます。

研究テーマそのものは、行動生物学、行動経済学、人間行動科学、行動シミュレーション、 ヒューマンマシンインターフェースおよびその応用分野(スポーツ、害獣対策、意思決定支援システムなど)に関するものが中心となり、 そこで学生各自の専門性を培うことになります。 しかし、研究室での教育の趣旨は、こうした特定分野の専門性や技術の習得だけではありません。 現象の背景にある仕組みを推理するには、事象を抽象的に捉えて論理を組み、 様々な解釈を公正に整理する力が要ります。 また、取り組みの意義や複雑な理屈を他者に理解してもらうには、相手の視点に立って説明し、受け答えする力も欠かせません。 加えて、限られた年限で研究をやり遂げるには、自律と協働の力、 そして先進技術や想定外に柔軟に適応する力も必要です。

研究の過程は、こうした力をまとめて養う良い機会になります。 学生の皆さんには、この点を意識して研究活動に励み、多方面に能力を伸ばしていくことを期待します。

■現在の学生の研究テーマ

  • 飼育下のウマのストレス軽減策
  • カエルの空中姿勢制御
  • 害獣対策に向けた効果的な威嚇方策
  • ダンスにおける非言語コミュニケーション
  • 人の心理に影響する音響の構成パターン

コンタクト

■研究相談/研究室訪問はこちらまで

代表教員 西海 望(Nozomi Nishiumi, Ph.D.)

新潟大学 研究統括機構       研究教授
     自然科学研究科/創生学部 特任准教授

〒950-2181 新潟県新潟市西区五十嵐2の町8050

自然科学研究科 管理共通棟 311

Email: nishiumicreate.niigata-u.ac.jp

Tel: 025-262-7684

■来訪時、ご自身の研究のプレゼンをしてくださる方へ

ご訪問の際、非公開または学内限定の小規模セミナーの場を設けることができます。 また、学生の来訪者に対しては交通費の支給が可能な場合があります。 ご希望の方はメールでその旨をお伝えください。

■講演会/交流会イベント

行動学研究をテーマとして毎月オンラインで無料の研究会イベントを開催しています。 最先端の行動学研究の講演会だけでなく、夜に研究者や学生だけでなく、 研究とは直接関わっていない方々も交えて歓談する交流会も開催しています。 交流会では色々な話題を歓迎しますので、本研究室のことだけでなく、参加する他の研究者や、 様々な生物、研究分野を知る良い機会になると思います。

研究会名:行動生物学研究会
開催頻度:毎月1回
 時間帯:講演会 16:00~17:00
     交流会 20:00~21:00